のんきな日本人

カトマンズからポカラに向かう搭乗手続きをしている時、日本人らしき75歳の男性が私

に声をかけてきた。「日本の方ですか!私も日本人です!」どうも一人で搭乗手続きしているらしいので、一緒に手続きをして、飛行機を待つ搭乗口でこれまでのその男性の

一人旅をしている経過の話を聞くことにした。彼は退職後、さまざまな格安ツアーで旅行を楽しんでいるようだ。いつも○○トラピックスに行くらしいのだが、お買いものが

多いので、今回はエイビイロードという旅行雑誌から、格安のネパールを見つけ、申し込んだ所、メールでEチケットと現地連絡先と日程表のみが届いたらしい。

出発まで、旅行会社からは電話の一本もなく、現地につくと、その行程のお客様は彼一人だったらしい。携帯はもっていても海外での電話の掛け方を知らない彼は、まあ、ネパールに着いてガイドがこなければ、空港で寝ればいいと考えたらしい。

カトマンズに着くと、ガイドはちゃんと迎えに来てくれ、携帯(日本の物)の使い方も教えてくれたそうだ。でもポカラに行く空港のお手伝いはしてくれず、アナウンスで「ポカラ!!」と聞こえたらその飛行機に乗れとガイドさんから聞いたと言う。

搭乗口は1つしかないので、まあ、確かにそうなのだが、ネパールの国内線はやはり、時間になってもまったく飛ぶ気がないようで、いつまでたってもアナウンスはない。

私としゃべれていることがうれしいようで、彼はひたすら話かけてきて日本の政治問題

についても熱く語りだした。

そうしているうちに45分程出発時間から時間が経過した頃に「ポカラ!!」という

アナウンスが確かに耳に入ってきた!

カトマンズからポカラまでは40分程で到着。75歳の彼が現地のガイドさんと合流するのを見届けて別れることにした。

英語もしゃべれないような、あの彼はまた楽しく旅を続けたのだろうと思うが、まあ

旅なれている人はいいけれど、何もしらず、料金が安いということで知らない旅行会社に海外旅行の申込みをして、何の旅行会社からの説明もなく出発することに怖さは感じないないのだろうかと立ち去る彼の後ろ姿を見守った。